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56話 最終決戦②

last update publish date: 2026-09-25 18:45:58

 五百雀《いおさき》月子は、大量のパフィオペディルム型に左右を挟まれながら雨の空を錐もみに回避した。

 精鋭部隊は、ここにいる全部で終わりだ。

 援軍の可能性は低い。

 八メートルほどのパフィオペディルム型地球外生命体ヴォイドフォークは、倒れても倒れても減ったように見えない。

 弱点は背中にあるが、圧倒的な数で月子にはなかなか手が届かない。

 月子はカガリに迫ろうとした個体の口を、一撃で切り落とす。

「月子ちゃん、あんまり僕から離れないでほしいっすね」

 雨宮准尉が、すぐさま隙ができた月子の背中をカバーに回った。

 視界の端で、種田上等兵が攻めては引く攻撃を多彩に繰り出していて、月子は自分が飛び出していることに気が付いた。

「それでも、不知火隊長が――!」

「わかってます、カガリ少尉も目的見失ってて困るんすよね」

 歯がゆそうに雨宮も、長いゼノブレイドで|地球外生命体《
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     五百雀《いおさき》月子は、大量のパフィオペディルム型に左右を挟まれながら雨の空を錐もみに回避した。 精鋭部隊は、ここにいる全部で終わりだ。  援軍の可能性は低い。 八メートルほどのパフィオペディルム型地球外生命体は、倒れても倒れても減ったように見えない。  弱点は背中にあるが、圧倒的な数で月子にはなかなか手が届かない。 月子はカガリに迫ろうとした個体の口を、一撃で切り落とす。 「月子ちゃん、あんまり僕から離れないでほしいっすね」  雨宮准尉が、すぐさま隙ができた月子の背中をカバーに回った。 視界の端で、種田上等兵が攻めては引く攻撃を多彩に繰り出していて、月子は自分が飛び出していることに気が付いた。 「それでも、不知火隊長が――!」 「わかってます、カガリ少尉も目的見失ってて困るんすよね」  歯がゆそうに雨宮も、長いゼノブレイドで地球外生命体を叩き切る。 軟体のパフィオペディルム型だが、切り口によってはゼノブレイドがひっかかって手から抜けそうになった。  ヒュン、と一体のコープスイングが集団から飛び出して、パフィオペディルム型が一斉にその一機を狙う。 「揚羽先輩……?」 「続きましょう、月子ちゃん! カガリ少尉のことはあの人に任せるっすよ!」  揚羽を狙うパフィオペディルム型を、急所を外してでも切りまくった。 月子と雨宮は背中を預けあって、返り血を避けながら揚羽の背後を守る。  揚羽はちらりと感謝するように振り返って笑むと、一人で乱闘するカガリの元へ到達した。 カガリは返り血を気にすることなく、縦横無尽にセイント・テスラで地球外生命体を消滅させている。 「カガリ……!!」  揚羽が無防備なほど接近して、不知火カガリはようやくパフ

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  • 運命にあらがう俺は、異能でSランク宇宙人をぶっとばす   53話 裏切られたココロ

     姫川四葉の携帯が振動した。 最近、よくあるお誘いだった。 「最近四葉の携帯よく鳴るね。もしかして彼氏?」 「そんなんじゃないですよ……」 「そっか。ていうか、不知火少尉ってガチで揚羽先輩と付き合ってる噂出てきたよね~。圧倒的に戦闘職が多いから、男女共同ルームは使いにくいし、見たわけじゃないけど」  同室のオペレーターの先輩の言葉に、四葉は唇を噛み締めた。 「違うと思います……カガリくんは優しいから」  つけこまれている、とはさすがに断言できない。 上下社会だ。階級はだいぶ離れているので誰に告げ口されてもおかしくはなかった。  メールを開けると、案の定雑誌ライターの藤川からだ。 先々週、四葉が外出していたところを「不知火カガリくんの同期だよね?」と声をかけられたのだ。  スター性はテレビが握っているので、他愛ない話や日常の話を是非聞きたいと言われて。四葉は断り切れなかった。 同期ならさぞエピソードをお持ちでしょうと、おだてられたのも気持ちよかったし、五百雀月子ではなく自分がカガリと親しそうと判断した藤川の期待にもこたえたかった。  ”明日の三時に、いつものお店で”  今は、上から外出禁止の命令が出ているが少し離れた場所ならまだ大丈夫だろう。 四葉は二段ベッドの枕の下に、カガリのグッズで出た写真を隠す。  悪いことをしているわけじゃない。 謝礼だって受け取っていない。  いつか、カガリも感謝してくれるだろう。 そう思いながら四葉は、眠りに入る。 心地よい眠気はすぐにやってきた。 *** 「慣れてきました?」 「多分、一生慣れないです」  カガリはコープスイングで富士山麓から本部に向かっていた。

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  • 運命にあらがう俺は、異能でSランク宇宙人をぶっとばす   第二話 防衛軍本部

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  • 運命にあらがう俺は、異能でSランク宇宙人をぶっとばす   第一話 異界防衛軍

    「は~、だりぃな……」  不知火《しらぬい》カガリは、ため息をついた。 母親である知世中将の墓参りのあと、異界防衛軍本部に呼び出されたのだ。  亡くなった母の話題は、カガリには重い。 期待と好奇心を背負い続けて、十八になった。  不知火カガリ、階級は兵長。下から四番目の階級だが、今年防衛高を主席で卒業した身では、かなりの大抜擢だ。 異界防衛軍お茶の水支部、オフィリア05部隊にこの春配属されたばかり。  生島中佐は、お茶の水支部の基地司令でもある。 『ドウシタですか、カガリ。ソラとあうのヒサシブリです、うれしくないカ?』  地球外生命体《ヴォイドフォーク》の中で、

  • 運命にあらがう俺は、異能でSランク宇宙人をぶっとばす   プロローグ

     西暦2026年。春。  霊園の中を、軍服で歩く二つの影があった。 壮年の男が立ち止まると、まだ少年の面差しのある不知火《しらぬい》カガリも足を止める。  二つあった花束のうち、一つはもう供えてきた。 「ここだね、不知火兵長。君の母上のお墓は……よく手入れされている」 「はっ! 母も喜ぶでしょう。好意で手を入れてくれる方が多いので」 「私が育て、みんなを救ったヒーロー……。今の幹部の多くは不知火名誉中将に救われた面々が多い」  白髪の男――生島《いくしま》慎三郎《しんざぶろう》中佐は、ハンカチを顔にあてる。 過去の思い出が一気に生島の胸に押し寄せてきた。  不

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